・その情報が正しいかどうかを判断する自信はどれくらいありますか
というアンケートを取ったことがありまして、情報リテラシーについてのチェックだったのですが、
「ジャンルによってはときどきわからないことがある」が最も多く
「自信がない」も回答がありました。
情報収集術トレーナーとして約10年ほど1000名以上にマンツーマンで教える活動をしていて感じていることが、特に健康・医療の情報というのは玉石混交で混乱させられる情報が多く、最上級の情報リテラシーが求められるということです。
ほとんどの人はこの情報リテラシーの基本を無視して、健康・医療の情報を集めてしまうのですが、まずはこのベースとなる根本的なところを知っておく必要があります。
情報リテラシーが低い状態で、健康・医療の情報を集めて後悔する選択をしてしまうなんてこともありえます。
正しい情報をどのように見つけ、見分けていくか
その情報が正しいかどうかを見分けるのにどうやって判断しますか。
なにか判断基準はありますか。
まず大前提として100%完璧に正しい情報はありません。
というのは完璧なモノというのは、世の中に存在しないからです。
あらゆることに良い面、悪い面があり、中国からの言葉ですが、陰陽思想(あるいは中庸「ちゅうよう」とも。)で、例えば明暗、天地、男女、善悪と反対の言葉があるように、それぞれに良い面、悪い面があります。
商品でも同じで、若者にとっては便利な商品でも(たとえば機能がたくさんついたスマホ)、年配の方にとっては使いづらいといったことは必ず起きます。
その情報は「自分にとってどれくらいの確率で良い情報なのか」を見分けれるかどうかが大事になってきます。
その情報が自分にとって正しいかどうか、できるだけ精度をあげていく必要があるのです。
その上でオススメしたいのが、その情報が正しいのかどうか情報を精査するときのチェックポイントを用意しておくことです。
その情報が正しいのかを見極める7つのチェックポイント
歴史を見る
今の超情報時代では普通に生きてるだけで、すさまじい情報量を浴びています。
意識的にこの情報は見ないというのを決めないといけません。興味があるからとあれもこれもと情報収集してしまうと、あっという間に1日が終わってしまいます。
そこで、必ず聞かれるのが
どんな情報を得るのがいいんですか。
という質問です。
答えからいうと本質的な情報です。
本質的な情報というのは、昔からあって今も使われてたり、色んな分野を問わず使われているものです。
情報を見たときに本質的な情報を意識して取りにいってますか。無意識に情報を見ていませんか。
昔からあって今も使われているかは情報リテラシーがあまり高くなくても使える知識です。
今流行ってる情報や最近のトレンドは昔からあるものではないので、精査が難しく、必要とされる情報リテラシーのレベルが高めです。
歴史を見るのもうひとつの使い方は、過去から現在に渡ってどうなっているのかという視点です。
日本では春になると花粉症の時期で、悩む人がたくさんいるかと思いますが、昔からこんなに花粉症に苦しむ人が多かったかというとそうではありません。花粉症が少なかったときにどんな過ごし方をしていたのかを見ることで、花粉症と向き合うヒントがあると考えることができます。
ガンもどんどん増えているそうで、最近は3人に1人の時代から2人に1人の時代と言われているほどです。
昔に比べて医療は進歩しているのに、ガンが増えているのはどういうことだろうということです。
ただガンは怖いと逃げるのではなくて、時代の流れを追っていくことが、解決策となるなにかしらのヒントを思いつくことができます。
自身の経験
人によって効果があるものは変わります。自分の身体の感覚が最も大事です。断食が効果的という人もいますし、そうでない人もいます。
朝ごはんを食べるのが良いかどうかといった議論を一度は聞いたことがあるかと思いますが、世間の良い、悪いでなく、自分で試して身体に聞くということが必要です。
昔は一日三食が基本で最近は一日三食は食べ過ぎの意見がだいぶ強くなってきましたが、僕は朝ごはんを食べた方が断然体調が良いです。
レビュー(数×分散)
情報の精査に第三者の声となるレビューを見る人は多いと思いますが、どんなモノでも良いところと悪いところはあるといったように、全ての人に高く評価されてるのはサクラである可能性が高いです。
そのレビューが本物かどうかを見分ける効果的なトレーニングはAmazonのレビューを見ることです。
イメージとしては
最高評価が1~2割(★5)
良いが7~8割(★3~4)
悪いが1~2割(★1~2)
くらいだと比較的安心できます。
もちろん数も大事です。(最低10以上〜)
複数からの切り口
情報源は一つだけからではなく、複数からというのはもちろんですが、信頼できるところ(論文や国が認める機関など)以外からも集めるようにしましょう。他の人の体験談も実は重要な情報です。
よく「科学的に〜」といった言葉で納得させようとするのが見られます。
修士号を取るのに大学院で研究してたのでわかりますが、科学というのは思ってる以上に正確ではないものです。
比較的新しいスポーツ科学の世界にいたのですが、実際に研究結果は変わりやすく、今良いとされてるものはすぐにひっくり返ることもありました。
それよりも複数からの切り口で同じことを言ってるからこれは正しそうだなという発見をした方が正確な場合があります。
科学的に〜という言葉はマジックワードなので、気をつけてください。
反対意見(バイアスに気をつける)
人は無意識のうちに、自分に都合のいい情報ばかり集める傾向にあります。(確証バイアスと言います。)
ですので、意識的に色んな角度からの情報を集めて精査する必要があります。
都合のいい情報ばかりでなく、できるだけ反対意見も含めた全体像を知ることですね。これもあらゆることに完璧はなく、バランスを取るためです。
普段の食事や医療のリテラシーが高くなる人によくありがちなのですが、一度これが正しいと信じ込んでしまって、聞く耳を持たなくなってしまうことです。
具体性
具体的な情報というのは実践しないと発信できないことなので価値が高いです。
具体的な情報でなく、抽象的なことや精神論が多い、自分の言葉で直に発信していない、そんな情報は耳障りが良いのですが、理想は理論と実践の両方がバランスよく混じってるものが良いです。
実践は具体性が必ず伴います。実践していないと詳細がわからないので、具体性がありません。
たとえば本を選ぶときも、体験談を踏まえたノウハウが書いてあるものに価値があります。この視点があると本を買う前のタイトル、目次、まえがきなどだけで、その本が買うに値するかどうかもわかるようになります。
実績(再現性)
再現性とは誰がやっても同じような結果が出るかどうかということです。
スポーツでよく使われる言葉なのですが、プレイヤーで大活躍したからといって、コーチになったときに一流のコーチになれるかというとまた違うんですよね。
自分で使えたテクニックが他の人に教えても使えない、これはまさに人には個人差があることを表す良い事例で、その人しか使えないものなので、再現性が低いです。
日本人は肩書きや実績に弱いのですが、その人が残した実績ではなく、どれくらい他の人にも使えるのかという再現性の部分に着目した実績を見る必要があります。
以上が正しい情報をどのように見つけ、見分けていくか、
- 歴史を見る
- 自身の経験
- レビュー(数×分散)
- 複数からの切り口
- 反対意見(バイアスに気をつける)
- 具体性
- 実績(再現性)
7つのチェックポイントでした。なぜこんなにたくさんあるのかというと、1つだけのチェックではぬけもれが出るからです。
もっとたくさんのチェックリストを作ってもいいのですが、精査をすればするだけ時間がかかってしまいます。その情報が自分にどれだけ影響を及ぼすのかでもかけれる時間も変わってくると思います。時間もあまりかからず、なおかつ情報の精度をあげるコスパの良いところがこの7つかなというところです。
それでも多いな、という人は1だけでも、効果は高いです。
お金を使うときは小さいものでも大きいものでもお金を使うに値するかどうか、なにかしらの精査をしているはずで、情報の精査は思ってる以上に色んなシチュエーションで求められます。