人生では、毎日の小さな努力や習慣が、やがて大きな成果や充実感につながります。
しかし、ただ前に進むだけでなく、ときには立ち止まり、これまでとは違う視点を持つことで、新しい可能性が広がることもあります。
私自身、サバティカル休暇を通じて、働き方や生き方を見つめ直し、自分の才能をより活かせる方法を発見しました。その経験から得た気づきや、自分らしい人生を築くヒントをお伝えします。
日々の積み重ねと新しい視点のバランス
毎日の仕事や生活の中で、多くのスキルを身につけ、人間関係を築き、社会に貢献しています。この積み重ねには大きな価値があります。
しかし同時に、時々「これでいいのだろうか」という問いが心に浮かぶことはありませんか?それは必ずしも現状を否定するものではなく、さらなる成長のためのサインかもしれません。新しい視点を取り入れることで、これまでの経験をより活かせるようになるのです。
私のサバティカル休暇への道のり
10年以上のキャリアを経て、2023年から2024年にかけて2年間のサバティカル休暇を取りました。この期間は単なる休暇ではなく、人生の大きな転換点となりました。
このサバティカル休暇に至るまでには、段階的なアプローチを試みました。まず「1日4時間働く」生活を2017年から始めました。体が弱かった私にとって、通常の就業時間である8時間から半分に減らすことは大きな挑戦でしたが、意外な発見がありました。
4時間という制限があることで、自然と優先順位をつけるようになり、本当に大切な仕事に集中できるようになったのです。「好き4」と名付けたこの働き方は、好きな時間に、好きな場所で、好きな人と、好きなことを仕事にする—という価値観を実現する第一歩でした。
次に「1日2時間働く」生活を試みました。時間がさらに限られることで、より計画的に仕事を進める必要がありました。
仕事時間が決まっていると、ルーティーンが決まりやすくなり、例えば運営しているサロンコラムは1日分に使うといった具合に、時間の使い方が明確になりました。
また、1日の始め、あるいはその前日に何をするのか、あらかじめ決めておくことで、それ以上仕事をしようとしなくなりました。これは、決めずに始めると制限なく仕事をしてしまうフリーランスの悪いクセを克服するのに役立ちました。時間の読める仕事を選ぶことで、1日の仕事時間を2時間以内におさめることができました。
さらに「1日1時間働く」極限の働き方も経験しました。
この働き方では、パレートの法則のように本当に価値の高い活動に集中せざるを得なくなります。働く時間が普段の4分の1になると、生産性は上がり、特に健康面で目に見える良い変化があったと記録されています。選択と集中により、「もっと仕事がしたい」というモチベーションさえ高まるという副次的効果も見られました。
これらの段階的な経験が、最終的な2年間のフルサバティカルへの準備となりました。また、1ヶ月のマイクロサバティカルも経験し、これが視点を大きく変える貴重な機会となりました。
休暇中の支えとなったもの
サバティカル休暇中は、仕事からの収入はなく貯金を使う生活でしたが、二つの重要なサポートがありました:
1. メンタル面でのサポート
- 継続的なコーチングを受け、自分自身を深く見つめる機会になりました
- 「こうあるべき」という思い込みを外す対話を重ね、新たな発見がありました
- 普段出会わない人々との交流で、価値観が大きく広がりました
2. 金銭面でのサポート
- 仲間からの支援金は少額でも大きな励みになりました
- これまでの仕事への信頼の証として受け取った援助は心強かったです
- 完全な生活費ではないものの、精神的な支えとなる応援が力になりました
ダウンタウンの松本さんの例に強く共感しました。売れっ子にもかかわらず、裁判で仕事ができなくなった時期に大きく落ち込んだというエピソード。これは金銭的な問題ではなく、自分が価値を提供できないことへの喪失感でした。2年の休みを取ったからこそ、この気持ちがよくわかったのです。
サバティカルがもたらした真の価値
一般的に「休暇」というと、ただ休むだけというイメージがありますが、私にとってはそれ以上のものでした。この期間は「次のキャリアのための仕事のネタを貯める」重要な時間だったのです。普段できない経験が、復帰後の仕事に活かせる貴重な素材となりました。特に下記の経験が大きな価値を持っています:
1. エクアドルのアマゾンでの儀式体験
- 価値観を大きく変える体験ができました
- 論理だけでは捉えられない直感的な世界と出会い、新たな感性が開かれました
- これまでの固定観念が崩れ、新しい気づきを得ることができました
2. 初めての子育て経験
- 論理的思考だけでは対応できない感情の世界に直面し、新たな対応力が身につきました
- 「待つ」ことの重要性を学び、長期的な視点で物事を捉える力が養われました
- 言葉を超えたコミュニケーションの深さと難しさを実感しました
様々な働き方から見えたもの
サバティカル休暇への道のりで試した様々な働き方から、私は貴重な学びを得ました。
1日4時間働く生活では、時間の制約が逆に集中力を高めることを発見しました。「好き4」という生き方は、好きな時間に、好きな場所で、好きな人と、好きなことを仕事にするという理想を実現する第一歩でした。
1日2時間働く形態では、時間がさらに限られることで、より計画的に仕事を組み立てる力が養われました。資料によると、仕事時間が決まっていると、ルーティーンが自然と確立されるようになりました。1日の始めに予定を立てることで、無駄な作業を排除し、本当に重要な仕事に集中できるようになったのです。
1日1時間働く極限状態では、まさに選択と集中の極地を体験しました。資料によれば、働く時間が4分の1になると、生産性は上がり、特に健康面では大きな改善がありました。
十分な余白時間ができたことで、運動、睡眠、食事といった健康の三本柱に時間を十分に確保できるようになりました。具体的には、サウナ付きのジムに週3回通い、テニスを週4回行い、質の高い睡眠を確保し、毎日の自炊にも時間が取れるようになったのです。その結果、持病の再発も防げました。
実験結果からは、1日1時間程度の仕事時間、あるいは1ヶ月で30時間程度の仕事量が、健康を維持しながら生産性を高める最適なバランスだという興味深い発見がありました。
多様な状況に対応した具体的アクションステップ
様々な制約がある中でも、新たな視点を得るためのステップは存在します。私の経験から導き出したアクションプランをご紹介します:
1. 自分に合ったサバティカル形式を見つける
- 経済状況、家族状況を考慮した上で実現可能な形を選ぶ
- 1日〜数年まで、自分に合った期間を設定する
- 完全な休職が難しい場合は、働く時間の調整や週末の活用から始める
2. 目的を明確にする
- なぜ新しい視点が必要なのかを書き出す
- 達成したいことを具体的にリストアップする
- 現在の生活・仕事の良い点も書き出し、何を維持したいか考える
3. サポート体制を整える
- 経済面:必要な貯金額の計算、副収入の検討、コスト削減策
- 心理面:応援してくれる人、メンターやコーチとの関係構築
- 学習面:オンラインコースや本など、費用対効果の高いリソース
4. 小さく始める習慣を身につける
- 朝30分早く起きて自分時間を作る
- 月に一度は普段行かない場所へ出かける
- 週に一回は異なる分野の本を読む習慣をつける
5. 経験を意識的に価値に変える
- 日々の気づきをジャーナリングする
- 月に一度、新しい学びを仕事や生活にどう活かせるか考える
- 新しい視点や発見を、小さな行動変容に繋げる
6. 現状を大切にしながら視野を広げる
- 今の仕事や関係性の価値を再確認する
- 現在のスキルや経験を異なる文脈でどう活かせるか探る
- 小さな「異文化体験」を日常に取り入れる(違う経路で通勤する、新しい食べ物を試すなど)
縛られない生き方と現実のバランス
人は様々な制約の中で生きています。経済的な制約、家族の事情、社会的な期待など、すべてを投げ捨てることは現実的ではありません。
大切なのは、制約を認めつつも、その中でできる選択肢を見つけ、少しずつ自分の可能性を広げていくことです。サバティカル休暇は、その一つの手段に過ぎません。
まとめ:新しい視点は小さな一歩から
サバティカル休暇は、形や期間はさまざまでも、本質は「新しい視点を得る機会」です。それは必ずしも大きな変化を必要とせず、小さな一歩から始められます。
現在の生活や仕事の価値を認めつつ、新たな視点を取り入れることで、自分の可能性はさらに広がります。どんな小さな一歩でも、それが人生に新たな発見をもたらすかもしれません。
あなたに合った形で、その一歩を踏み出してみませんか?